有基塾理科担当の島本です。
今年度の甲南中学及び甲南女子中学の理科の問題について所見を書き留めておきます。
〇甲南中学
総評・・・例年の通り四分野まんべんなく出題されていますが今年は生物、化学が中心の出題傾向になっておりました。
物理・・・電流についての出題でしたが、手回し発電機による発電と豆電球だけでなくLEDやコンデンサーを使っての電流の大きさなどを問う形になっていたので回路についてのしっかりした知識を持っていないと苦戦する問題でした。
地学・・・地層の出題となっていますが、立体的に地層を想像できないと正答率は低かったと思われます。
生物・・・植物に関する実験・観察の出題でしたが、作図や記述さらに一般の知識を問う問題となっていました。実験の手順を作図と記述で答える問題の出来で得点がかなり違ってくる様に思われます。
化学・・・中和反応についての出題となりましたが、指示薬についての知識や比の計算をしっかりと頭に入れておけばさほど難問ではなかったと思われます。
〇甲南女子中学
総評・・・昨年に比べ難易度は下がった問題になっている印象です。例年その年度にあった天体ショーなどの時事問題がよく出ています。今年度は印象に残った事柄があまりなかったようですが山について話題になったことを絡めて地層の問題が出題されていました。やはり四分野まんべんなく出題されており、得点(50点)の割に出題数も多く記述問題もしっかりと出ております。
生物・・・植物の発芽、メダカの生態、顕微鏡の使い方からの出題でした。各単元とも基本知識があれば解けない問題ではなかったようです。
地学・・・総評の中でも述べましたが、地層の問題が出題されました。ここも基本知識があれば難しくはなかったと思います。
化学・・・気体の性質の問題でしたが、ここに関しては、非常にオーソドックスな問題傾向にあり今まで類似問題をどれだけこなしてきたかで得点率が左右されたのではないでしょうか。
物理・・・甲南女子では比較的良く出る「会話形式」での出題で、しっかり文章を読み取って問題に取り組めば電流についての基本知識だけで七割は取れる問題です。
今年度は例年に比べ、甲南、甲南女子共に基本的な問題が多かったように見受けられます。しっかりとした知識を身につけ基礎問題の反復練習をしておけば手ごたえがあったのではないでしょうか。ただ、あいかわらず両校ともに記述問題はしっかりと(甲南女子は例年に比べ少なかったようですが)出題されていました。
有基塾の理科は基本知識をしっかりと身につけることと、それをベースに自分で考えて文章を組み立てる、すなわち「理解する」ことで甲南・甲南女子の問題に対応していきます。